2021年の本です。
発売された時に買って読んだのですが、最近、読み直してみました。
読み直してみると、当時、読んだ時には気がつくことのできなかった新しい発見、気づきがありました。
四人の文筆家が「書けない」「書くにはどうしたらいいか」と悩む本
この本は、四人の文筆家が「書くこととはどういうことか」というテーマで座談会をする本です。
出席者は千葉 雅也 (著), 山内 朋樹 (著), 読書猿 (著), 瀬下 翔太 (著)の4名。
私は読書猿さんの名前に惹かれて、この本を購入しました。
本業はそれぞれながら、書くことをお仕事にされている四人。
そういった立場の人が「書くこと」についてトークをする。
さぞかし、素晴らしい執筆テクニックが披露されると思いきや、この本で語られるのはいかに「書くことは難しいか」「書くことは苦しいか」といったことでした。
資料を集め、構成を考え、椅子に座り、道具を用意する。そういう準備をして文章と向かい合う。
十分に準備をして、それなのに、書けない。
その苦しみを赤裸々に打ち明けている座談会が収録されています。
特に印象に残っているのは「いつまでも文章をいじっていたいという幼児性」「完璧なものを書きたい。でも書けない。どこで断念するか」という文章を書くことへの諦めを語るシーンです。
この文章を書くことに「諦め」を感じる。どこかで「諦め」なければならない。
そういった告白が、どこか、アマチュアである私にも逆に勇気を与えてくれるような気がするのでした。
文筆家も文章が書けないのだと知ることで、勇気をもらえる
私は、4年間。ノートを書き続けてきました。
それは、自分には文章が書けないから、どうすれば書けるようになるのかという問いでもありました。
この「ライティングの哲学」を改めて読んで、一つの答えを掴んだような気がします。
私には「アイデアを練る」「資料を集める」といった準備が足りなかったのだということです。
私はどこかで、机に向かってノートとペンを用意すれば文章はかけるのではないかと考えていました。
そんなことは、プロでも無理なのです。
プロだって、アイデアを練り、資料を集め、準備をし、それでも書けないと悩むのですから。
そう言ったプロセスを歩んで、悩んで文章とは書けるのだということをこの本を通じて学ぶことができたと思います。
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